※こちらの記事を2022/10/14に動画化しました!↓
こんにちは、自転車整備士の椿直之です。
お客様から、「自転車の漕ぎが重い」と言われたが、原因が特定できない!
今回はセミナーの生徒さんからいただいたこの質問をもとに、解説していきます。
まず、漕ぎが重い原因で一番多いのがタイヤの空気圧不足です。

タイヤの空気がパンパンに入っていれば、接地面積が減るので抵抗が少なく走れます。
空気が入っていないと、タイヤを潰して走ることになり、接地面積が増えて摩擦抵抗が大きくなり、結果同じ速度で走るための力が多く必要になってしまいます。
通常、使用者の管理不足で空気が入れられていない場合が多く、「わかってはいるけど面倒で空気を入れていない」や「最後にいつ入れたのか忘れた」という意見が多数かと思います。
ただ普段から気を付けている人でも、「入っていると思っていた」のに、「実は入っていなかった」というパターンがあるので注意です。
特に、もともと使っていたタイヤよりも厚いタイヤに交換した直後や、耐パンクタイヤというものを初期装備した自転車を新しく買った人は要注意です。
タイヤの空気が入っているか確認するために、タイヤを指で押して、圧を確認するというやり方を行う人がいます。
この方法だと、普通のタイヤであれば、これくらい押してみてへこまなければまだ空気が入っているという「感覚」が頼りなので、厚いタイヤに変わったとたんにその感覚がわからなくなってしまうのです。
使用者は入っていると思っていても、タイヤの厚み、硬さのせいで抜けているとわからず、空気の少ないタイヤで走っているから重く感じる、というパターンになります。
触っての感覚は素人目にはわかりにくいことがありますので、空気圧は時間で管理するのがのぞましいです。
「毎月1日は自転車の空気を入れる日」として設定し、抜けていないと思っても一押し入れてみるくらいの心づもりでいたほうが安心です。
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次に、タイヤに何かが接触していて重いというパターンです。

前輪ブレーキシュー、泥除け、異物などの可能性があります。
このパターンは、タイヤを回転させたときにこすれるような異音がすることが特徴です。
「重くなった」というよりは「変な音がする」という症状でお店に持って行く人が多いでしょう。
原因となる接触物を排除することで、改善することができます。
3つめはブレーキの不具合です。
ブレーキワイヤーは、外側のアウターワイヤーの中に、インナーワイヤーという細いワイヤーが入っていて、アウターの中でインナーがスムーズに動くことで、ブレーキが正常に作動します。
このブレーキワイヤーに雨水などが入り、中でサビてしまうとブレーキの動きが渋くなり、完全に固まってしまうと動かなくなります。
ブレーキレバーを握った状態で動かなくなってしまえば、ずっとブレーキがかかりっぱなしの状態になってしまうので、漕ぐのが重い、漕げないなどの症状になります。
ブレーキレバーの握り具合、戻り具合の状態で、サビが進行しているか確認できます。
不具合があるようなら、ブレーキワイヤーの交換で解決できます。
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4つめはチェーンのたるみです。

自転車は、ペダルの回転をチェーンによって後輪タイヤに伝え、後輪を回転させて走行します。
このチェーンは金属ですので、走れば走るほど摩耗していき、つなぎ目の間隔が広がってしまい、チェーン全体の伸び、という症状になります。
ペダルから後輪まで繋いでいるチェーンの長さが伸びると、たるみが生じます。
チェーンがたるんでしまうと、ペダルに伝えた足のパワーを正しく後輪に伝えることができずに、力のロスが発生してしまいます。
このため、同じ力で漕いでもかつてのように進まない、ということになります。
調整として、後輪の位置をさらに後ろにずらすことによってチェーンの張りを戻すことで改善できます。
ただしこれはチェーンの長さ自体は伸びたままなので、調整もいずれは限界がきます。
限界まで調整されたチェーンの場合は、チェーン自体を新品に交換しましょう。
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5つめはペダルまわりの不調です。

ペダルが付いているアームの部分、クランクの回転中心部であるボトムブラケット(BB)のベアリングが原因である可能性があります。
BBも足の力がダイレクトに伝わる部分ですので、自転車の中でも特に頑丈に設計されているパーツではありますが、所詮はネジなので、緩みは発生します。
緩みが発生すると、まずは走行中ペダルがガタガタしてくるはずです。
この状態はネジが緩んでいるだけですが、このまま走行を続けてしまうと緩んだネジの内側にある、回転を司るベアリングを傷めてしまいます。

金属のボールなのですが、BBが緩んだ状態でガタガタさせながら走ると摩耗したり、回転ラインからボールが脱落してしまいます。
ベアリングが正常に回転しないと、当然ペダルの回転も重くなってしまいます。
ネジの緩みの段階ですぐにお店に持ち込めば、締めるだけで済みますが、ベアリングの損傷になると、かなり修理は高額になります。
長年使っている自転車や、何かの拍子に倒れたりするとBBのネジは緩みがちですので、ペダルのガタには要注意です。
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6つめは車輪の異常
車輪の回転の中心にも、BBと同じようにベアリングがあります。
ここも経年劣化や外的衝撃などでベアリングが摩耗、脱落があるとガタが出ます。
車輪ですので、ペダルを漕いでいなくても、車体全体がガタガタ揺れるように感じるかと思います。
当然回転ロスが生まれますので、思うように進まなくなります。
7つめは新車購入時なら、前車との車重比較、タイヤサイズ比較で重く「感じている」場合です。

前の自転車が26インチで、新しく買った自転車が27インチである場合が、特に感じやすいようです。
タイヤサイズが大きくなると、ひと漕ぎで進む距離が長くはなりますが、その代償としてペダルが重くなります。
単純に車重自体が重い場合も、ペダルは重くなります。
アルミフレームの車体から、鉄フレームに乗り換える場合や、耐パンク、ノーパンク車は車重が重くなりますので注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。
ペダルの漕ぎが重くなる原因をざっと挙げてみました。
重くなる原因をひとつずつ確認して潰していき、その部分を直すとどうなるか、お客様と一緒に乗ってもらいながら確認すると良いでしょう。
そして上述したものはすべて、「自転車に原因がある場合」です。
それ以外には、乗車している人の体力の衰えや、サドルの高さが脚の長さに合っていないなど、車体側に問題がないものもあります。
乗っている方とよくコミュニケーションをとり、前からそうなのか、急にそうなったのかなどを聞きながら、解決していくようにすると良いでしょう。
場合によっては、格段に漕ぎが軽くなる電動アシスト自転車の接客の起点として繋げられるので、完璧にご案内できれば売上アップにもなります。
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