実技セミナー紹介:大手自転車チェーン店就職Iさんのパターン・初級者

自転車:知識

皆さんこんにちは、自転車のキーマートです。

今回は、過去に行ったセミナーの中で、「実技セミナー」をさせていただいた一例をご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、自転車業界の大手企業に就職されたばかりのIさんからのご依頼です。

Iさんも結構遠いところから来てくれた方で、なんとわざわざ神奈川から来てくれました!

わたしのセミナー、なぜか遠いところから来てくれる人が多いです。

他県ではこういうセミナーやってないけど、埼玉では他にもやってる人いるってことかな?

Iさんはもともと別の業界で働いていたみたいですが、今回まったく畑違いの自転車業界に参入されたそう。

入社したはいいものの、あまり会社内で技術的な研修がないようなので、基礎的なことを教えて欲しいとのことでのご依頼でした。

入社から8ヶ月程度たち、初歩的な整備や修理は見様見真似でやっていたみたい。

ですがちゃんと習ったことはないとのことで、初級者コースを選択しました。

プロ向け初級講座の4時間24800円。

お客さんに安全に乗ってもらえるように新車を整備する新車整備と、

パンク修理、タイヤチューブ交換などの基礎的な修理内容を学べます。

以下が、Sさんのセミナーメニューの内訳になります。

◆新車整備 1時間

お店に陳列しておく設定での整備

全てのネジというネジを締めるわけではなく、重要な部分から優先で対応

・ペダル取付

走行中に外れると困る部品なので、締め付けをしっかり。全体重をかけて思い切り!というよりも、腕の力だけでかけられる範囲でしっかり締められれば大丈夫。あまりに無理やり力任せに締めこむと、ネジ山の潰れ等が発生する危険あり。

締め付け後はバリの処理を行う。

・ハンドル

決められた高さ、角度に設定し、ネジを締めこむ。

ハンドル横軸の合わせ方のポイントは、

ハンドルバーの上から前車輪のハブナットを真っ直ぐ見るようにすると、

車輪に対して直角に設定できる。

角度はステムに対しておよそ90度程度の設定。

締め付け後は車体の前に回り、

ヒザで車輪を挟みながらハンドルが回ってしまわないかチェック。

ハンドルに上から全体重をかけて乗り、締め付けられているかチェック。

・前ブレーキ、後ろブレーキ

前はブレーキ本体を左手で左右から押さえながら、

右手で10mmナットを緩めワイヤー位置を調整。

ワイヤー位置が決まったら10mmナットを締めこみ、

左手を離す。ブレーキレバーを握って調整具合を確認する。

車輪のリムに対して左右のシューまでの間隔が均等になるように左右を調整する。

フロントフォーク後ろ側の10mmナットを緩めるとブレーキ本体が動くので、

左右の間隔を合わせてから再度締めこむ。

このナットは締めすぎるとブレーキが動かなくなるので、あまり締めすぎない。

後ろも同様に本体の10mmナットを緩めてワイヤー位置を調整する。

・サドル

高さ、角度を規定通りに設定する。

高さは手回しレバー、角度はサドル下部の13mmナット。

・変速調整 外装6段ギア

6段全てのギアにチェーンが入るか確認。

入らないようなら、ディレーラー後部の手回しネジを回して微調整。

ディレーラーを手で押して1段よりも内側にチェーンが落ちてしまう場合、

ディレーラー調整ネジのロー側を締めこんで調整。

6段よりも外側にチェーンが落ちてしまう場合、

ディレーラー調整ネジのハイ側を締めこんで調整。

(今回ディレーラー調整ネジについては詳しくやりませんでしたが、

日頃の整備ではそこまで使いません。

整備士試験を受ける際の社内研修などで、

ガッツリやることになると思います。)

・ホイールハブナット確認

前後左右の4つのハブナットをしっかり締めこみ確認。

・タイヤ空気入れ

タイヤラインがしっかり出ているかをチェックしてから、

満タンまで入れる。

ラインが出ていない場合チューブがタイヤに噛んでいる場合があるので、

少し空気を抜いてタイヤをよく揉みこんでから再度空気を入れる。

重要ポイントはここまで。

ライトの位置調整、カゴの4点のネジ、

ベルのネジ、泥除けネジ、リフレクターの装着確認など、

残りの部分もチェック。

緩そうだと思えば増し締め。

手順を忘れてしまいそうなら、取扱説明書記載の整備手順に則ってもよし。

◆ブレーキワイヤー、変速ワイヤー交換 40分

・前ブレーキワイヤー交換

10mmレンチでブレーキワイヤーを留めているナットを外し、ワイヤーを解放。

ブレーキレバー部分に引っかかっているタイコを外し、ワイヤーを抜き取る。

古いワイヤーのアウターの長さをチェックし、

新しいアウターの長さをそれに合わせて切る。

新しいワイヤーのタイコをブレーキレバーの穴に引っかけ、

ワイヤーをキャリパーへ通す。

キャリパーの開き具合を手で押さえながら、

ワイヤーのナットを締める。

インナーを5~6cm程度余らせて、余計な部分は切る。

インナーの先がほつれないように、インナーキャップを装着する。

・後ろも流れは同様。車体に通過する部分をモレのないように通過させる。

ワイヤーのクロス順は、前ブレーキワイヤーが前方、

後ろブレーキワイヤーが後方になるようにクロスさせる。

・変速ワイヤー交換

ディレーラー本体の9mmナットを外しワイヤーを解放した後、

ハンドルグリップ部分のシフターからワイヤーを引き抜く。

古いワイヤーのアウターの長さをチェックし、

新しいアウターの長さをそれに合わせて切る。

新しいワイヤーのタイコをシフターに合わせ、

インナーをシフターから入れる。

インナー装着後、アウターをインナーに被せるように入れる。

ワイヤー全体を車体に添わせるように通過させ、

ディレーラーまで通して9mmナットで固定。

6段全てのギアにチェーンが入るか確認。

入らないようなら、ディレーラー後部の手回しネジを回して微調整。

◆パンク修理 1時間

・前車輪でパンク修理

経験上、水調べだけでも車体から外した方が効率的で速いはず

車輪を外し、タイヤチューブを外し、穴のある箇所を確認。

水性の白マーカーで、穴周りから離れた位置に印をつけるのがオススメ。

(油性、穴に近い位置の印だと、

それだけでパッチが剥がれやすくなるリスクが増えるため。

ゴムのりは油分で弾かれる。)

穴周りをやすり等で削って平らにクリーニング。

ゴムのりを塗り、乾かしている間に虫ゴム交換とタイヤチェック。

(虫ゴム交換はそこからのエア漏れによるクレームリスクを減らすため、

古くなくても必ず行うべき。)

パッチを貼って水調べ。

タイヤチューブ、車輪を元に戻す。

戻す際タイムロスにならないよう、

オートライトのケーブル差し込み位置を合わせるのを忘れないように。

タイヤのロゴによる左右のチェックや、

バルブ位置確認ができていたのは非常にgood。

◆タイヤチューブ交換 1時間半

・後ろでタチ交換

今回は6段ギアの車体なので、

修理開始前にギアを6段にセットしてから作業開始。

(6段が一番車体の外側であり、

ワイヤーもチェーンも緩んだ位置なので、車輪を外しやすい位置。)

ブレーキワイヤーを解放。

車体とブレーキ本体を留めているアームクリップユニットも外す。

左右のハブナットを外れない程度に緩め、

車体を整備スタンドに乗せる。

ハブナットを外し、スタンド、キャリアアーム、泥除けアームを外す。

(リアカゴ付きの車体を修理する場合、

上にあげたキャリアが落ちてきて作業しづらい場合があるので、

泥除けアームでカゴを押さえると作業しやすくなる。)

ハブ軸を左右から持ち後ろ側に引っ張る。

ハブ軸が車体から離れてすぐ、

スプロケットに掛かっているチェーンを横にずらしてハブ軸から外す。

タイヤチューブを新しいものに交換。

外したときと逆の手順で車輪を元に戻す。

忘れがちなポイントとしては、今回のように泥除けアーム、

キャリアアームの装着し忘れ。

またはブレーキワイヤーの装着時、

ブレーキレバー側のワイヤーが穴にハマっているかどうかの確認モレ。

ひとつひとつ焦らず、頭の中で順番をイメージしながら、

作業の手順を組み立てられるようになれると良い。

あとはディレーラーガードも装着し忘れることが多いかも。

外した部品はなくさないように整理し、

装着し忘れることのないように。

・バック広げ工具を使った後ろタチ交換の実演

通常のタチ交換に慣れてきたら、

スピードアップのために使用するのもアリ。

ただし使って良い車体、ダメな車体があるので、

その判断とダメな理由がちゃんと理解できてから使用するべき。

ダメな車体の例は内装ギア搭載車、アルミフレーム車、

電動アシスト車、スポーツ車、タイヤが22インチ以下の車体。

◆まとめ

全体的には経験が少ないとは思えない、効率の良い手の動きだったと思います。

あとは練習を重ね、覚えたことを手順通りに作業できるようにし、

少しずつスピードを上げていくのが良いと思います。

ただ単純にスピードだけ重視するのはNGです。

まずはミスなく確実に、

自分で納得できるまで作業後の手順モレ確認は怠らないようにしてください。

もし作業にモレがあり、走行中にパーツが外れる、

ブレーキが効かないなどが発生すると、

命に関わる事故を招きかねないのが自転車の整備です。

お客様からお店、会社の信頼を失いますし、

何より自分のせいで事故が起こったとなれば、

自分自身も精神的に辛いと思います。

覚えたことをミスなく確実に。

この精神で今後も頑張っていただければと思います!

このたびはセミナーを受講していただきありがとうございました!

セミナーなのでいろんな工具を使いました↓




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