ホントに使える?整備士が徹底解説!万能スパナは万能か?

自転車:知識

こんにちは、自転車整備士の椿直之です。

今回は、お客様からよく聞かれる質問を取り上げてみます。

万能スパナでペダルは外せますか?

というご質問です。

万能スパナとは、太いスパナの形状をした鉄の板で、様々な大きさの6角の穴が空いており、

8mm、9mm、10mm、13mm、14mm、15mm等のサイズのナットに合わせられる商品です。

さらには端に-ドライバーとして使えるようにもなっているタイプのものもあったりします。

そんなに多様なサイズに対応していながら、ポケットに入るサイズで携帯もしやすいコンパクトな工具になっています。

1本持っていれば自転車に関する様々なサイズのナットを締めたり外したりできるので万能と呼ばれます。

そしてその用途として、子供の自転車の練習で、いったんペダルを外して乗る練習をさせたい親御さんが、そのペダルを外すのにこの万能スパナを使えるかどうか、よくご質問を受けます。

たしかにペダルの取り付け部分のナットは15mmのサイズで、万能スパナにも対応しているサイズなのですが、結論から言うと、使用できません。

外そうとする際、スパナの方が曲がってしまいます。

万が一外せたとしても、再度取付の際にしっかり締め込むことができませんので、使用しないでください。

ペダルというのは、自転車の部品の中でも「走行中に外れたら危険な部品トップ3」に入るほど重要な部品です。

そのぶんパーツ自体のネジ山も焼き入りでしっかり作られていますし、整備で取り付ける際も、専用工具でしっかりと締め込みます。

素人が簡単にいたずらで緩めてしまっては危険だからです。

なのでコレを外そうとするためには、締め込んだ時と同じ力を発揮できる、「長さ」と「厚さ」を持った工具が必要であるため、携帯用の工具などでは不十分なのです。

ではペダル以外の用途ではどうでしょうか?

自転車で8mmを使うのは前カゴの取付、ブレーキレバーの取付ネジ、バンドブレーキの本体取付ネジです。

カゴはともかく、ブレーキの方はナットにアクセスできる場所が狭いため、使用できません。

9mmは外装変速機ディレイラーのワイヤーおさえナットです。

これは万能スパナ側の穴の空いている位置にもよりますが、一応使用できると思います。

10mmはキャリパーブレーキの本体取付ネジ、ローラーブレーキ本体、ワイヤー取付ネジです。

キャリパーはアクセスしやすい位置ですが、リアブレーキには使えません。

13mmはサドルのやぐらナットです。

やぐらもスパナの端に13mmの穴があれば使用できますが、位置によっては使いにくいですね。

14mm、15mmはそれぞれ前輪、後輪のハブナットです。

タイヤチューブ交換の際、車輪を外すのに使うでしょう。

アクセスしやすい場所ですので万能スパナを使用することはできますが、車輪ですので外れないように改めてしっかり締め付けることには向いていません。

以上のように、万能と言われ携帯性に富んだ工具ではありますが、極めて限定的にしか使用することはできませんし、できたとしてもしっかり締め付けるのには向いていません。

あくまで出先での応急的な調整、修理のみにとどめ、それ以外は各部品に応じた適切な工具を使うことをおすすめします。

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