こんにちは、自転車整備士の椿直之です。
ワードプレスの設定がうまくいかず、ずっとブログサイトが変な表示になっていて、ブログの更新ができていなかったのですが、ようやく復旧させることができました。
なので今後もこちらのブログを更新していくつもりですので、よろしくお願いいたします。
さて、2020年の今年は、私は車の運転免許の更新の年です。
誕生日が5月なので、4月〜6月に更新になる予定でしたが、ちょうどこの頃、コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言の発令により警察署に人が集まる免許の更新手続きも中止になっていました。
しかしそれでは免許の有効期限が切れてしまうため、有効期限の延長手続きをすることができ、9月までに更新をすれば良い、という状態になっていました。
そういうわけで8月某日、まだコロナ禍も落ち着いたわけでもなく、どちらかというと第2波かというほど毎日感染者も発表されている中ではありますが、ようやく免許の更新に行ってきました。
そこで目についたのがこちらの貼り紙です。


ふだん自転車に乗っている皆さんは、自転車保険に加入していますでしょうか。
平成30年4月から、埼玉県では自転車保険の加入が義務化されました。
あらためて画像のようなフローチャートで、保険に加入しているかどうか確認してみてください。
自転車も立派な「車両」です。
走行中、自転車同士または歩行者にぶつかれば軽いケガではすまないような、大きな事故に発展する恐れがあります。
これまでも自転車事故が少なかったわけでもないでしょうが、高齢化社会の日本において、ふらつく危険な高齢者の自転車や高齢歩行者への接触事故は命の危険すらあります。
さらに2020年はコロナの影響で満員電車での通勤通学も見直され、自転車に切り替える人も増えているため、自転車の利用者は今後も増える傾向にあるでしょう。
もし、自転車保険に加入しておらず、接触事故をおこして相手にケガをさせる、または死なせてしまったらどうでしょうか。
お金だけの問題ではないことは言うまでもありませんが、事故の例と、その時の賠償金の具体例を見てみましょう。
———————————–
男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂を自転車で走行。
男性はスピードを落とすことなく交差点に進入、横断歩道を横断中の女性と衝突した。女性は脳挫傷などにより、3日後に死亡した。
東京地裁 平成15年9月30日判決
賠償金の額6779万円
当時77歳男性が、歩行中に前方不注視の自転車と衝突。
男性は事故により、著しい判断力の低下や情緒の不安定をともない、日常生活は自宅内と限定される生活を強いられた。
後遺障害2級3号に認定。
大阪地裁 平成23年7月26日判決
賠償金の額6223万
当時37歳の男性が、信号表示を無視して自転車で走行。
横断歩道を横断中の女性と衝突した。
加害者男性は、高速度でスピードを落とすことなく走行。
被害女性は11日後に死亡した。
東京地裁 平成19年4月11日判決
賠償金の額5438万円
——————————————-
保険に加入していなかったら、ここまでの賠償金、払えますか?
相手を傷つけてしまった場合もそうですが、自分が被害者になってしまったらどうでしょうか?
自分が大丈夫だと思っていても、お子さんがこんな事故を起こしてしまったら?
我々の生活に欠かせない移動手段で、とても身近な存在である自転車。
ですが見方を変えると、子供から高齢者まで、誰にでも扱え、簡単に人を死なせてしまう恐ろしい凶器になり得ます。
そんな凶器から身を守るために出てきたのが自転車保険です。
まだまだ保険の加入が義務化されている自治体は多くはありませんが、少しずつ全国に広まっています。
埼玉県では義務化されてから、コンビニやスーパー、市役所などでも自転車保険のパンフレットを設置している店が増えました。
webや申込書の郵送で簡単に加入できる保険もあります。
ただ、オススメは自転車屋やホームセンターの自転車コーナーなどで加入できる、「TSマーク保険」というものです。
補償内容は、自分のケガの場合、入院15日以上の大きなケガは一律10万円、死亡または重度障害の場合は一律100万円が出ます。
人にケガをさせてしまった場合も入院15日以上は10万円ですが、死亡または重度障害を負わせてしまった場合は限度額1億円まで補償されます。
この保険が他と違うのは、①プロの手による自転車の点検、整備を受けてから加入できることと、②自転車そのものに保険が付くことです。
①は、簡単にいうと車の車検のようなもので、安全点検を受けて合格した車体に保険が付けられるということです。
自分の運転技術や不注意によるものではなく、自転車の不具合による事故やケガがあっては悔やみ切れませんよね。
そうならないよう、一定の整備基準にもとづいて、直すべきところは直し、安全に乗れる状態に整備された状態にし、「プロがしっかり整備した状態なので保険を付帯できます」というものです。
②は、他の保険は加入した個人に付帯するものですが、人ではなく自転車に保険が付くという点です。
その自転車の所有者はもちろん、正当な理由で所有権がある人(家族はもちろん、会社名義の車体を社員が乗る、自転車を借りた友人など)であれば誰が乗っていても補償されることがポイントです。
自転車は安全に整備され、保険にも加入できて一石二鳥です。
このTSマーク保険を自転車に付けることができる人間が、我々「自転車安全整備士」です。
試験を乗り越え、安全に整備した自転車に保険を付けられる資格を持っています。
日々技術を磨き、安全に道路を走れるようにご案内しています。
つまりTSマーク保険に加入したいと考えている方は、「自転車安全整備士がいるお店」「TSマーク取扱店」などの表記がきちんとされているお店に行くと良いでしょう。
なんとなく事務的に行った警察署でしたが、交通事故を減らすため、事故で大切な家族を守るため、自転車保険についてもう一度、考えてみるきっかけになりましたので、記事にしてみました。
自転車保険に加入されていない方は、確認してみることをオススメします。
Facabookアカウント https://www.facebook.com/cycleshop.keymart
自転車整備士勉強会コミュニティ https://www.facebook.com/groups/2718879658440393
キーマート・椿直之のホームページ https://sites.google.com/site/keymartcycle/
キーマート・椿直之のブログ https://cycle-keymart.com/
コメント