タイヤの種類

自転車:知識

こんにちは、自転車整備士の椿直之です。

今回は、自転車安全整備士の筆記試験から、実際に出題される問題をご紹介します。

こんな問題が出題されます。

問 現在国内で使用されている軽快車のタイヤの多くは「WOタイヤ」で、これに対して、マウンテンバイクやマウンテンバイク類型車には「HEタイヤ」が多く使われており、これらのタイヤは互換性がある。

○か×か。

答えは×です。

国内ので使用されている自転車のタイヤの種類には3種類あって、問題に登場している「WOタイヤ」「HEタイヤ」ともうひとつ、「BEタイヤ」というものがあります。

これらはそれぞれ互換性はありません。

「WOタイヤ」「ワイヤードオン」は、一般的なママチャリによく使われているタイヤで、サイズ表記は26インチタイヤなら「26×1 3/8」のように、分数で表してあるものです。26がタイヤの外径、1 3/8(いちとはちぶんのさん)がタイヤの幅を表しています。

「BEタイヤ」「ビーデッドエッジ」も同じように、サイズ表記は分数で表示されていますが、郵便局や、銀行の営業マン、警察官などがよく乗っている「実用車」と呼ばれる堅牢な軽快車に採用されています。

「HEタイヤ」「フックドエッジ」はマウンテンバイクなどに使用され、サイズ表記は「26×1.75」のように小数で表示されます。

なぜ互換性がないかというと、それぞれのタイヤはホイールに装着する部分の形状が違うからです。

WOはビード(タイヤの内径沿いの部分)に金属のワイヤーが入っていて、そのワイヤーの形状通りにホイールにはめるもの。ワイヤーがリムにしっかりはまり込むので、空気が抜けてもタイヤが外れにくいようにできています。

BEはビードの先の部分の耳がかなり広くなっており、中のチューブを包み込むようにしたうえでビードをホイールにはめ込む。リムフラップが必要なく、しっかり空気を入れておけばパンクに強いタイヤです。

HEはワイヤーの入ったビード部分がそり返った形をしていて、リムフランジに引っ掛ける形状です。幅が太いタイヤに多く使われ、クッション性、安定性に優れています。

それぞれ自転車の用途に適したホイール、タイヤ形状になっていることがわかりますね。

「26×1 1/2」と「26×1.5」というタイヤは、上述したようにWOとHEなので当然互換性がないことはわかってもらえたと思います。

ちなみにこの2つのタイヤサイズは計算上は同じように見えますし、タイヤの形状によって互換性がないだけなら、チューブだけなら互換性があるのでしょうか?

答えは×、実はサイズが全然違います。

なぜかというと、この26インチというのはホイールにはめて空気を入れた時の「外径」を表しているからです。

実際ホイールにはめる際は「ホイールの外径」と「タイヤの内径」サイズが合ってないと入らないわけですから、この2つは「内径」が違うということです。

その内径を表しているのが、「ETRTO表記」というものです。

大抵タイヤの側面に「26×1 3/8」と並んで表示されています。

26×1 1/2であればETRTO 40-584(40が太さmm、584が内径)

26×1.5であればETRTO 40-559

といった具合です。

同じ26インチタイヤでも、形状もサイズも全く違うということがわかりますね。

つまり中に入れるチューブのサイズも違うので互換性がないということです。

タイヤを選ぶ際にサイズに困ったときは、このETRTO表記を参照するようにしましょう。

自転車安全整備士の筆記試験では、こういった知識も必要とされます。

自転車を販売するときに、お客様に正しい知識でご案内できなければならないからです。

現在、キーマートではこのような試験対策問題を、過去問をもとにしてしっかりと解説も入れたテキストとして鋭意作成中です。

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