こんにちは、自転車整備士の椿直之です。
今回は、お客様からよくご質問される内容を取り上げてみます。
テレビでやってたんだけど、電池のいらないアシスト自転車っていうのはあるんですか?
というご質問です。
サイクルオリンピックという自転車専門店でのみ販売している、「フリーパワー」というギアを搭載した自転車のことです。
文字通り、電動アシスト自転車のようにバッテリーを持つわけではなく、右側のギアクランクを専用設計の物に換装してあるだけで、アシスト自転車のような推進力を得られる!というシロモノです。

電動アシスト自転車は購入すると約10万円。
フリーパワー搭載車は約46000円程度。
現在乗っている自転車に取り付けてほしい場合は、14000円程度です。
普通に考えたら、10万円もする電動アシストのパワーを半額以下で、しかも普通の自転車にも取付できる、しかも充電する手間もいらない、ときたら皆さん飛びつきますよね。
果たして本当にそれほどのパワーを得られるのか、サイクルオリンピックに勤める友人から実際にフリーパワーを仕入れて取り付け、試乗してみました。
取り付け作業自体はそんなに難しいこともなく、クランク外しの専用工具で取り外し、そのままポン付けするだけ。

ただ、フルカバーのチェーンケースを使っている自転車の場合は、ギアクランクの部品自体が厚くなっているので、はめる際に引っかかって入れづらいようです。

そしてチェーンケースの目玉部分は戻すことができず、開いたままにするしかないようです。
取付が終了し、乗ってみると・・・たしかにクランク内部にセットされているシリコンパーツのおかげでペダリングは独特なフィーリングに変わりましたが・・・。
漕ぎ出しはスムーズになったと思います。
ただどう考えても「電動アシスト車と同じようなアシスト感覚」ではありません。
「アシストされている」という感覚すらありませんでした。
どちらかというと「ペダリングが柔らかくなり、ヒザへの負担が減った」という印象です。
坂道を上るにしても、電動アシストならペダルを回すフリをするだけでいいのですが、フリーパワーではしっかり力を入れてペダルを漕がなければなりませんでした。
もちろん普通の自転車よりはペダルは踏みやすくはなっています。
「推進力を得られる」というものではなく、あくまでペダリングにかかる力を抑え、身体への負担を軽減する、という感覚だと思います。
おそらくこの商品のことを知った人たちは、電池もいらなくて比較的安い金額で、「電動アシスト車と同じような」パワーを得られる、と思ってしまうと思うのですが、それは間違いです。
あくまで金額分の効果は得られる、とだけは言えるかと思います。
それに充電する手間がいらない、と前述しましたが、完全にメンテナンスフリーなわけでもありません。
クランク内に仕込まれている丸いシリコンパーツは、走行するたびに伸縮を繰り返すので負担も大きく、劣化すると交換が必要だそうです。
やはり電池を使ったバッテリーアシストは、その金額に見合うだけのことはある、ということを身を持って体感できました。
サイクルオリンピックでは、取り付けてから後悔した!ということがないように、このフリーパワー取扱店では試乗をさせてもらえるようです。
試乗したうえで落ち着いて考え、その金額を出して乗り換える必要があるかどうかを考えてみましょう。
Facabookアカウント https://www.facebook.com/cycleshop.keymart
自転車整備士勉強会コミュニティ https://www.facebook.com/groups/2718879658440393
キーマート・椿直之のホームページ https://cycle-keymart.com/
シティサイクルメカニック初級・商品知識 https://saipon.jp/h/yum271/1
シティサイクルメカニック中級・陳列ストーリーhttps://saipon.jp/h/rxg858










コメント